ドキドキ子猫育て <その1>

我が家の猫はみんな保護猫だ。
大和→道路の真ん中で動けなくなっていたのを拾った
小町→病院でもらった(農家の飼い猫が産んだ子で唯一お母さんがわかっている)
侘助→病院でもらった(中古車販売店の展示車のエンジンルームにいた)
おちゃまろ→母猫が人目を恐れて育児を諦めたらしく生後数日で保護された

おちゃまろとその兄弟はへその緒のついた状態で家に来た。
大和・小町・侘助は離乳までお母さん猫や病院のスタッフの方がお世話をしてくれていたので、ここまで小さな子猫を育てたことはおろか見たこともなかった。

そんな人間が、さぁ今日から生まれたばかりの子猫を育てましょうっていうんだからその後のてんやわんや・しっちゃかめっちゃか・阿鼻叫喚っぷりは想像にかたくないだろう。

第一印象…「これは…、お手玉かな?」

ある日、知人から連絡があった。
生まれたばかりの子猫2匹を拾ってお世話をしていたものの、飼っているワンちゃん達がパニックを起こしてしまったとのこと。
2匹の子猫がどんな様子かわからなかったが、知人に代わってお預かり出来るかなと思い、急いで知人宅に行った。
行ってみると、二つの白っぽいお手玉みたいなのが毛布の上に置いてあった。
私が到着する前に授乳をしてくれていたので、眠っていたからお手玉に見えてしまったが、これがその子猫たちだった。
こんな小さな猫を見たのは初めてだ。生後何日なのかもわからない。
でも、こんなに小さいのに知人宅のワンちゃんを恐怖に陥れてしまうのだ。
油断は禁物。

とにかくこの眠れるお手玉怪獣を預かったからにはちゃんと生かさないと!
まずは動物病院にに急げ!

病院でミルクと排便のレクチャーを受けまくる

病院に着いて早速診てもらう。

1匹目 白茶トラ(以後しーちゃん)  (♂) 80g 生後4日ほど ※左後脚に奇形有り
2匹目 茶トラ白(以後ちゃーちゃん) (♂) 80g 生後4日ほど

病院で言われたことは以下の通り
・二匹とも初乳を飲んでいない可能性があるため、ちゃんと育つかわからない。
 特にしーちゃんは後ろ脚の奇形があるので死んでしまう可能性がより高い。
・授乳は2~3時間おき (授乳の前に排泄させる)
・体重は毎日量る (はじめは1日+10gが目安)
・1日1回インターフェロン(インターキャット)を点鼻(免疫をつけるため)
・タオルでくるんだカイロを一緒に入れておく(お湯を入れたペットボトルでも可)
・体重が増減なし、あるいは減っていたら病院に連絡をすること

そして実際に排泄介助と授乳のレクチャーをしてもらった。
うーん、ちゃんとできる気がしない…。
でもやらなくちゃ!

しーちゃんの後ろ脚の奇形を矯正できるかもとのことでテーピングをしてもらい、
ミルクやシリンジなどを購入し、いざ帰宅。

お手玉ちゃん達、こちとら乳飲み子育児初心者だからお手柔らかに頼むよー。
と頼んでどうにかなる相手では…、ない、当然。
  

ゲーム『箱の中身はなんじゃろな?』で答えを考え中の侘助

お手玉怪獣の本当の恐ろしさを知る

まぁ大変だった…。
慣れている人だったらそれほどでもないのだろうが、授乳一つまともにできない。

家に来て2日目、ちゃーちゃんはミルクがうまく飲めず1日で体重が10gも減ってしまった。
再度病院で授乳してもらい、私は私で改めてレクチャーを受けた。
シリンジより哺乳瓶のほうがいいかもとのことで哺乳瓶を買い足した。
でも哺乳瓶にしたはいいものの、乳首の穴が小さすぎて飲めない。
穴を広げたり脇に穴をあけると今度は一気に飲んでしまい鼻からミルクが溢れ出す。
乳飲み子キトゥンの死因の一つに誤嚥によるものが少なからずあるとのことで、ちゃーちゃんの鼻からミルク事件の時はものすごく焦った。
(でも心の中で、♪チャラリ~ン鼻から牛乳~は歌った。)

ミルクに関してはしーちゃんが上手に飲めてちゃーちゃんがへたっぴだったように思う。
3時間おきの授乳は大変だったけれど、当時大学生だった同居の甥が時々手伝ってくれたので大変助かった。あっりがっとさ~ん。

自分より大きな哺乳瓶でミルクを飲むしーちゃん

赤ちゃん猫のお世話でもう一つ大切なのは排泄介助。
おしっこは二匹とも、トントンとお尻を刺激してあげれば問題なくしてくれた。

大変だったのはウンチだ。
まず、しーちゃんからは針金のような棒状のウンチがニュルニュルと出てきて、どうしていいかわからず焦る。
(でも、「こんな外国の花火あったよなぁ、と余計なことを考える暇はあった。)
(※2022年頃、その名も『猫のウンチ花火』が発売されたようです。)

ちゃーちゃんは下痢気味なウンチが多かった。
ミルクの濃度を薄くしてみたり、処方してもらったビフィズス菌のサプリをミルクに混ぜたりしてみた。

だが、そんな努力を嘲笑うかのような出来事が起きた。
ある晩、小町がキャリー(離乳までキャリーを子猫住居にしていた)に近づきクンクンしている。
こんな時間に小町がキャリーを気にするのおかしいなと思って覗いてみたら!
茶トラ白のちゃーちゃんの白い部分がほぼなくなって完全茶トラ猫になっている!
しーちゃんもなぜか頭に茶色い柄が増えている!
茶色い柄に見えたものは、数行前に書いたちゃーちゃんの下痢便だった。
夜中の2時にウンコまみれの子猫洗い…、貴重な体験をさせていただきました。

この頃は、次から次へと繰り出されるトリッキーな出来事にアワアワしまくっていた。
世のお母さんたちはこういうことを乗り越えて子育てしているんだなぁ。凄いな。

眠れるお手玉怪獣ちゃん達
昭和レトロなはかりにちゃーちゃんを添えて

目が開いた!私がいないときに!

私は基本在宅ワークであったが現場での仕事もあったので、そういう時の子猫育児は同居している家族にお願いしていた。
だが生後約17日目くらいの頃、自分が現場仕事で家族の都合もつかなかった日があったため、病院に預かってもらうことにした。

一泊二日で預かってもらい仕事の帰りに迎えに行ったら、キャリーに入っていたのは預けた子たちによく似たちょっと大きな子猫ちゃん…?

たった一日で目が開き、体重も増えていたため別猫に見えてしまったのだ。
目が開いただけでこんなに印象が変わるんだな…。

ちんまりとしたお目目も可愛いしーちゃん&ちゃーちゃん

目が開くとそれまでウニウニと這っていただけだったしーちゃん&ちゃーちゃんが歩くことも出来るようになり、ミルクもよく飲みどんどん大きくなっていった。。

病院に行く度に「ポンポコリンだねぇ。」と言われ続け、とうとう「体重が増え過ぎなので授乳量減らして。」と言われるまでに…。

そして子猫の成長とともに、わちゃわちゃな子猫育ても第二章に入っていくのであった。
(つづく)

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