鎮守の杜は爽やかな空気に包まれて【静岡県護国神社】

お参りと秋探しを兼ねて静岡県護国神社に行ってきた。

静岡県護国神社って?

静岡県護国神社は静岡市駿河区柚木にある神社で、明治維新から太平洋戦争までの戦没者が祀られている。

一の鳥居から本殿に向かう参道には鎮守の杜が形成されており、清涼な空気が流れている。
すぐそばに国道1号線があるにもかかわらず、鳥居をくぐった瞬間厳かで凛とした雰囲気に包まれる。

三の鳥居の手前に小川が流れており小さな太鼓橋が架っている。
その橋を渡ると雰囲気はガラッと変わり、三の鳥居から拝殿までは芝生が敷かれていて開放感がある。
正面に見える拝殿・本殿は着色されていない木造で屋根は銅板葺き。
素朴で一見地味な感じもするのだが、谷津山という小さな山(山?丘?古墳?)の麓にあるため、緑を背負って建っているのがとてつもなくカッコいい。
壁の茶色と屋根の緑青もまわりの風景に馴染んでいて落ち着いた風情がある。

この神社から比較的近くに住んでいたこともあり、小さな頃からよく出かけていた。
幼稚園のどんぐり拾い遠足や、小学校での課外授業等の学校行事から、初詣や七五三のお詣り、夏のみたま祭、車のお祓いもここでしてもらった。
今も昔も自分にとって落ち着く空間だ。

三の鳥居から拝殿をのぞむ(まだ紅葉は進んでいませんでした)
ちなみに季節が変わるとこんな感じ(下図)
桜雨の護国神社

希一杓献水

静岡県護国神社は靖国神社や各県の護国神社同様、御祭神は戦没者である。
そのため境内の各所に慰霊碑がある。

そのうちの一つ『希一杓献水碑』
そのよこにあった立て看板には下記のことが書かれていた。

先の激しい各戦場で一滴の水を乞い求めながら尊い命をお国の為に捧げられた御英霊を永久にお慰めするための献水碑です。

静岡県護国神社 献水碑横の立て看板より

参拝の仕方は、手前にある水を柄杓で献水碑にかけて差し上げる。

この神社にある慰霊碑は、文字の刻まれた石碑や人物の彫像が多く、このような磨き上げられた球体の石碑は珍しい。
抽象的な形なため、なんだろうと気になり看板の説明を読み、その碑の意味を理解することになる。
柄杓で水をかけて差し上げることで、自分にも英霊をお慰めできるかもという気にさせてくれる。

ここの神様は優しい

今でこそ神様に敬意を払ってマナーに従って行儀よくお詣りをしなければ、と思っている。
でも、子供の頃は何事も深く考えず生きてきたので、神様に無礼なことを平気でやってきた。
一番いけなかったのは、小学生の時護国神社に戦没者の幽霊が出るという噂があり、それを面白おかしく話題にしていたことだ。
自分が見たわけでもないのに御祭神そのものを茶化していたのだから神様からしたら無礼千万だったはず。

そんな失礼な小学生が課外授業で神社を訪れても、神社はいつも清涼で穏やかな空気を醸し出していた。
境内の芝生にひっくり返ったり、お弁当を食べたり、奇声を上げながら走り回ったりしてもバチは当たらなかった。
「やいやい。子供っちがとんでるもんでゆっくり眠れないやー。」
(やれやれ。子供たちが走り回っているのでゆっくり眠れませんよ。)
とぼやきながらも許してくれていたのだろうか。

谷津山を背後に従え悠然と佇む拝殿と本殿

静岡県護国神社
国道1号線に近いので場所はわかりやすいですが、車だと1号線と並行して走る静岡鉄道の踏切を渡るので、ほんの少し面倒かもしれません。
電車は先述の静岡鉄道の柚木駅下車が一番近いです。
JR東静岡駅から歩いても行けます。徒歩10分くらいでしょうか。 

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