本を送って誰かのサンタになれるかも
綺麗な絵本を読みたくなる季節
…というものが一般的にあるのかはわからないが、
晩秋から初冬に掛けてのこの時期、綺麗な絵本が欲しくなる。
自分にとっては冬になるとおでんが食べたくなったりするのと同じくらいの感覚だ。

キノコの図鑑とクマのプーさん
20代の頃から絵本や素敵な装丁の本が好きで、気に入ったものは購入していた。
気に入ったものを片っ端から買える財力はないので、吟味に吟味を重ねて1シーズンに1冊ほど買っていた。
自分に子供はいないが、同居していた甥姪も楽しめたらいいなと思って買ったものもある。
それがフランス人著作のキノコの図鑑とクマのプーさんの本だった。
キノコの図鑑はフランス人が描いたんですね!といったお洒落なキノコばかりで絵を見ているだけでとても楽しかった。
もう一つはクマのプーさん。
これはディズニーの絵本ではなく原作の日本語版で、
サイズは小さめ、表紙は深緑の布張りで、三辺(天・小口・地というらしい)が金色に塗られていて(三方金というらしい)、シンプルなケースもついていた。
そこはかとなく上品な雰囲気をまとっている本だった。
その本を手に取った瞬間から100エーカーの森に自分も住んでいるかのような不思議な感覚があった。
絵本ではないので甥姪が自分で本を読めるようになったら読んで欲しいな、
それまで大事にしようと思った。
数日後、その美しい本にはボールペンで、私には解読できない暗号のようなものが描かれていた。
これにはおばちゃん、ガックリきちゃったよ…。
本屋で見つけた素敵なプロジェクト。私もサンタになる?
大事な本に落書きをした甥ももうすっかり大人になり、誰かのために本を買うこともなくなっていた。
そんなある日、出先で立ち寄った本屋の柱にあるポスターが貼ってあった。
ブックサンタプロジェクト 『あなたも誰かのサンタクロース』
欲しい本があってもなかなか手に入れられない子供たちに本をプレゼントするとのこと。
仕組みは簡単。
①協賛している本屋でプレゼントしたい本を購入し、
②「ブックサンタに寄付します。」的なことを言うと、
③本屋からブックサンタプロジェクトに送られるという。
私は、自分が主体的に何かをしなければいけないときは、石橋を叩いて叩いて叩き壊して「あぁ、やっぱり渡れなかったな。」と言い訳をして終わるへっぽこ人間だが、
誰かが発案し実行したことで、「これはいいな」と思ったことには簡単に尻馬に乗る癖もある。
もっとしっかりコンセプトとか読まなければ、とも思いつつ早速本を買ってしまった。
ポスターには小学生向きの本が足りていないとのことだったので、自分が小学生だったら読みたい本を自分なりに考えた。
本は自分を豊かにしてくれるアイテムだ。
子供の頃に出会った本が、その後の人生に大きく関わってくることだってあるかもしれない。
そこまで壮大ではなくても本を読んで、得た知識を活かしたり、気持ちが温かくなったりする。
本を欲する人の手元に本が届くのは嬉しい。
