旅する蝶に出会える秋の公園【静岡県営吉田公園】

この時期になるとコスモスを異常なまでに見たくなるコスモス中毒を発症する。
そこで静岡県榛原郡吉田町にある吉田公園に行ってきた。

秋色に染まる園内で思い思いに過ごす人々

入り口にはパンパスグラスがワシャワシャと生えている。
園内に入ると萩や女郎花といった秋の花々が凛と咲いている。
秋の花は春に咲く花に比べ楚々とした雰囲気がある…ような気がする。
春の花は色味も花の形状も明るくて「わーい!わーい!春だぁ!」と言っているかのような雰囲気がある…と勝手に思っている。

人出はそう多くはなかったが、芝生で遊ぶ親子や貸花壇で土いじりをする家族や沿道の花をゆっくり見ている夫婦などがそれぞれ楽しんでいた。

旅する蝶 アサギマダラさんやって来ました!

どの花も綺麗で見入ってしまうが、一番の目的であるコスモスを探しに行くことにした。
ところが園内のあちらこちらに『旅する蝶 アサギマダラがやって来ました』というのぼり旗がやたらと目立つ。

アサギマダラ…、秋になるとニュースになる海をも渡る蝶。
沖縄や台湾にいる蝶々で夏に長野などの涼しいところまで避暑に来て、秋になるとまた帰っていくという。
そんなスーパー蝶々がいるって聞いたら見るしかない。
アサギマダラがいるというビオトープにちょっくら行ってみることに。

『旅する蝶』とか『浅葱斑』とかいろいろかっこよすぎるスーパー蝶々

どんな方向音痴も迷わせないぞという公園管理者の強い意志を感じるやじるし看板を頼りにビオトープにはすぐ着いた。

ビオトープの一角にフジバカマが植えられていて、そこにアサギマダラがいた。
それも1頭でなく何頭も。

(蝶の数え方は1頭、2頭と頭を単位とします。
なんでも西洋の動物園で、動物の種類に関係なくその数を「head」という単位を使ったことが始まりだとか。
その後、蝶の論文にも「head」が使われ、「head」→「頭」と日本語訳したという説があります。)

数名の職員さんがそこにいて、説明や案内をしてくれている。
一人の職員さんがカメラを持った私の姿を見て、「ここにいますよ。どうぞ近くで写真を撮って。」と言ってくれた。
とはいえ蝶はトリッキーな飛び方をするので写真を撮るのは苦手だ。すぐ逃げるし。
なので職員さんに「近づいても大丈夫ですか?」と聞いた。
すると職員さんは「大丈夫。人馴れしてるから。」と。
ん?人馴れ?
蝶々って人馴れとかするのだろうか?
よくわからないが取り敢えず撮ってみるかと近づいたら、あらまぁほんとに逃げない。

よく見ると羽根の白い部分が真っ白ではなく薄い緑がかった青で、
こういう色なんて言ったかな。あぁそうだ。浅葱色だ!
…あぁ、だからアサギマダラ(浅葱斑)なのね。

『旅する蝶』という二つ名、浅葱色の羽根、泰然自若とした様(人馴れしている)、すべてがカッコいい。

フジバカマの蜜を吸うアサギマダラ

ボロボロで美しい羽根を持つスーパー蝶々

1頭、ボロボロな羽根を持つアサギマダラがいた。

海を越えて長旅をするのだからボロボロにもなるよなぁ。
ボロボロなのに動じず他の蝶たちと一緒に人目も気にせず悠々と花の蜜を吸っている。
そしてひょいっとまた旅に出るんだろうな。
いいなぁ。カッコいいなぁ。

ちなみにアサギマダラがなぜ海を越えて来るのか、長旅ができる体力がどこにあるのか等わからないことが沢山ある不思議な蝶々なんだそうだ。

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