削って癒される!? スクラッチアートに隠された心理・脳科学の効果

子供の頃紙一面にクレヨンで色を塗り、その上から黒いクレヨンで上塗りし、先端のとがったもので絵を描いたことがある方は多いのではないでしょうか。
真っ黒いところを削ると現れる鮮やかな色が嬉しくてたくさん描いたことを今でも思い出します。
(何を描いたかはまったく覚えていませんが…)
その名も スクラッチアート。
「ヒーリングアート」や「大人の塗り絵」と並び、近年人気が高まっています。
実はこのスクラッチアート、趣味として楽しむだけでなく、癒し効果や脳科学的なメリットも期待できるのをご存じでしょうか?
今回は、スクラッチアートの効果を心理学・脳科学の視点から詳しく解説します。
(専門知識を持つ方の受け売りです…。)
スクラッチアートとマインドフルネス効果
スクラッチアートは、削るという単純で繰り返しの動作に集中します。
この「今この瞬間」に意識を向ける状態は、瞑想やマインドフルネスと同様の効果があり、ストレスや不安を軽減します。
ハーバード大学の研究によれば、人間は1日の約半分を過去や未来のことを考えて過ごしており、それがストレスの原因になるとされています。
スクラッチアートを日課にすることで、自然と心が落ち着く時間を作ることができます。
実際私も一日10分と時間を決めてスクラッチアートをやっていますが、削ることに集中してあっという間に10分経ちます。
その後とても落ち着いた気分になります。
瞑想を難しいと考える方でも、スクラッチアートであれば割と簡単にマインドフルネスの状態に近づけるかもしれません。

削るたびに分泌される「ドーパミン」の効果
黒地の紙を削って鮮やかな色が現れると嬉しくなりませんか?
スクラッチアートの魅力は、削るたびに現れる色や模様による「小さな達成感」。
このとき脳では、快感やモチベーションを高める神経伝達物質 ドーパミン が分泌されます。
「次はどんな色が出るんだろう?」という予測と発見が、作業を楽しく続ける原動力になります。
これは趣味としての満足感だけでなく、メンタル面の健康維持にもつながります。
手先の細かい作業が脳を活性化
スクラッチアートのような細かい作業は、脳の運動野や前頭葉を刺激します。
また、運動機能と感情調整の両方に関わる小脳も活性化され、気分の安定に効果があります。
さらに、単調でリズミカルな動きは副交感神経を優位にし、心拍数や血圧を下げるリラックス効果も。
脳科学的に見ても、スクラッチアートは「脳トレ」と「癒し」を同時に得られる趣味です。

色彩心理がもたらす癒し効果
スクラッチアートで現れる鮮やかな色彩には、心理的な影響があります。
暖色系は気分を明るくし、寒色系は心を落ち着けるなど、色彩には感情に作用する効果があることが知られています。
色が目から脳へ伝わることで、幸福感や安心感をもたらす セロトニン が分泌されるともいわれています。
このため、スクラッチアートは視覚的にも精神的にも癒されるアートなのです。

スクラッチアートは趣味以上の癒し時間
スクラッチアートの効果を科学的に整理すると、
- マインドフルネス効果でストレスを軽減
- ドーパミン分泌でやる気と幸福感がUP
- 手先の作業で脳と感情が安定
- 色彩効果でセロトニン分泌を促進
毎日10分のスクラッチアートは、単なる趣味を超えて、心と脳を整えるセルフケアになります。
「削る」時間を、自分の癒し時間として取り入れてみてはいかがでしょうか。
